「ほしのうた」をうちのミクに歌ってもらった

 「ほしのうた」という歌があります。
 ガリレオによる望遠鏡観測から丁度400年、世界天文年である今年に合わせ、ほしのうたプロジェクトが企画し制作した曲です。


 初めてこの曲を知ったのは、「アストロ・ラジオ」というポッドキャスト番組でした。このアストロ・ラジオ、天文情報を紹介する番組なのですが、メインパーソナリティーの土屋亜有子さんの優しい語り口調や、ちょっと学芸会風のノリ(失礼(^^;)のドラマなど、どちらかというと私にとっては癒し系の番組(^^; 毎月1回の配信ですが、その中で、曲の完成までの情報が逐次提供されていました。
 5月の末には専用WEBサイトが開設され、間もなく「ほしのうた」の曲を使った作品の募集が開始されました。「ほしのうた」はクリエイティブ・コモンズ作品で、歌詞や楽譜の情報はもちろん、曲のWAVデータも提供されています。それらデータを使って、初音ミクに歌わせてみたいという気持ちはその当時からあったのですが、ちょうど仕事が非常に忙しい時期でとてもそんな余裕はなく、手を着ける機会を失くしたままになっていました。


 しかし、最近になって時間的余裕ができたことや、オリジナル作品の制作に行き詰っていたこと(^^;などもあり、ふと「ほしのうた」のことを思い出しました。開設から約3か月、専用サイトにはそれなりに作品が集まっているものと予想して見に行ったのですが、思っていたほど作品が紹介されていません。特に驚いたのは初音ミクをはじめとするVOCALOID系のいわゆる「歌わせてみた」投稿が1つも見られなかったこと。私ですら考えていたわけですし、すぐにでも誰かが作るだろうと思っていたのですが。
 そんな状況を見て、ちょっと欲が出てしまいました。本来ならば、私程度の実力では「歌わせてみた」を作っても恥ずかしくて公開できませんが(オリジナル作品ならある意味総合力での勝負になりますが、「歌わせてみた」ですと、完全に歌唱力勝負になってしまいますので)、そんな者でもいわゆる「一番乗り作品」ということであれば、公開しても許されるのではなかろうか。今からでもまだ一番に間に合いそうだし。


 ということで、一気に高まったモチベーションとともに、ここ一週間、空き時間のほとんどすべてを費やして、うちのミクに「ほしのうた」を歌わせてみたのがこちらです。


 Thnking about... 音楽倉庫 : ほしのうた〜うちのミクVer.


 今回は、何分にも作るのは歌しかないものですから、ミクには現在の自分が持っている知識、技術、経験そしエネルギー(^^; のほぼすべてを注ぎ込みました。それでもなおお聴き苦しいところは多々あるかと思いますが、そこはもうお許しください。
 ミクの調整については、まったくもって終わりというものがありません。作ったものを聴いて気になった部分を直し、それを聞き直して納得してもまた別のところが気になり再度手直しをするというまさに無限ループ状態(^^; 今回の作品を完成させるまでに一体何度聞き直し、書き直し、出力し直したたことか。
 上にアップしたものは、気力、体力、持ち時間と完成度を天秤にかけて「もうこれでいいだろう(もう勘弁してくれ)」というところで作業を打ち切ったものです。本当に、聴けば聴いただけ直したいところが出てくるので、どこかでけりをつけざるを得ませんでした。実際、今でも聴けば直したいところが出てくるのですが、さすがにこれ以上、これだけにかかりきりになっている余裕はないもので。
 ミクの調整だけでなく、ミキシングについても何度もやり直しています。曲のWAVデータはありますから、それとミクの歌を合わせるだけなのですが、ミクのセッティングがなかなか決まらず、これも何度も聴き直しました。一度これでいいと思っても、念のためイヤホンを変えて聴き直してみると全然駄目だったり。今回の件で、ミキシングの際は最低3つのイヤホンで聞き比べる必要があることを知りました(本当はスピーカーで聞くべきなのは重々承知していますが、音を出すのは厳しいので)。


 なお、もしお聴きいただけましたなら、率直なご感想をいただけると非常に助かります。今回は本当に苦労しているので(聴くとそうは思えないかもしれませんが(^^;)、もしこれでいまいちな評価しかないようなら、費用対効果の観点でもう二度とこんな面倒な作業はやらず、ミクとの付き合い方ももっとライトにしたいと思っておりますので(^^;

 まあ、今回作業したことで初めて分かったミクの特徴などもあるので、まったくの無駄骨というわけではなかったのですが。技術的にもかなり向上したとは思いますし。この辺については、後で自分のためにもまとめて書き留めておきたいとは思っています。苦労した分、忘れてしまうのが勿体無いので(^^;