タイムスパンの異なるタスクの管理

 先日、「自分にとって必要な手帳」というタイトルで、タスク処理について書きました。そのときは、本当に思いつくままに書いてしまったので、もう一度改めてタスク処理についてじっくりと考えてみたいと思います。

 私にとってのタスク処理の問題点は、タイムスパンの異なるタスクをいかに効率的に処理していくかということに尽きます。特に、日々の通常タスクを処理しながら、「重要だが期限は特にない」タイプのタスクのための作業をいかに進めていくか、という点が、一番の問題です。
 いろいろ考えた結果、このようなタスクを処理していくためには、次のような工程が必要であると思い至りました。

  1. 意識的な期限の設定
  2. タスクの細分化
  3. 予定への落とし込み

 まず、「意識的な期限の設定」ですが、とにかく、期限がない予定であっても、恣意的に期限を設定してしまうということです。期限のないタスクは、往々にしていつまでも処理されずに残っていきます。それを防ぐには、強制的な期限を設けるしかないと思います。期限を設定すれば、それが自分に対するプレッシャーになりますし、副次的効果として、作業工程をゴールから逆算することができるようになります。ただ、私個人としては、これを決めるのが結構難しいのですが(決断力がないもので)。

 次に、「タスクの細分化」ですが、大きなタスクを作業手順ごとに細分化し、細かいタスクの集合体としてしまうということです。これを行うことで、タスクを段階的に処理することができるようになり、進捗状況も把握できるようになりますし、また、これによって長期タスクも短期タスクの集合となりますから、タスク全体としてタイムスパンを均質化することができるようになります。

 最後に、「予定への落とし込み」ですが、これはつまり、自分の作業時間として使える時間を把握し、その中でタスクを処理できるように配分していくことです。タスクを予定表に書き込むというと、イー・ウーマン社長の佐々木かをりさんが有名ですが、まあ、すべてのタスクを予定表に書き込むとまではいかなくても、タスクをリストアップし、重要度や作業時間を見ながら、順番に処理していく必要があるでしょう。

 さて、では、これらの作業を容易にするためには、どのようなツールを使えばいいのでしょうか。

 まず、期限の設定を助けるツールですが、これについてはいいものが思い浮かびません。強いてあげるなら、タスク全体のおおよその作業時間を考え、自分のこれからの予定と空き時間を見て、期限を決定することになるでしょうから、そのための、長期間の予定が一覧できるものがツールとして使えるかもしれません。実際には、えいやっと思い切って、ちょっと短めに期限を設定してしまう方がいいような気はします。

 次に、タスクの細分化を助けるツールです。タスクの細分化は、結局は作業手順の洗い出しとその並べ替えという作業であると考えられます。さらに、細分化が終了したタスクは、通常は、階層的構造(もしくは入れ子構造)を持ち、時間軸に沿った作業一覧(TODOリスト)になると思われますので、それをきちんと表示できることも重要です。
 前者の作業については、やはりカードやポストイットを使うのが便利だと思います。よくあるリスト形式のTODOシートは、作業手順の洗い出しには使えますが、一度書いたものの並べ替えは困難です。その点、ポストイットなどに細分化した個々の作業を書き出すようにすると、思いつくまま書き出しても、後から簡単に並べ替えることができます。しかし、後者の作業、すなわち、一旦整理されたタスクを一覧するという点では、ポストイットを使うのは不便です。ポストイットは決して見た目がよくありませんし、また、結構なスペースを使います。それよりは、手帳など紙のTODOリストに一覧形式で書いたほうが、見た目もスマートです。そう考えると、ポストイットで細かいタスクを洗い出した後、TODOリストを作成するという、両方を使った方法がいいようです。
 または、別の方法として、PDAなどデジタル機器のTODO管理ツールを使うというものもあるかと思います。特に、CLIE TH-55に搭載されているクリエオーガナイザーというPIMソフトのTODOなどは、見た目はTODOリスト形式ですが、並べ替えや階層構造の作成も簡単であり、ポストイットと紙のTODOリスト両方を融合したものとして使えるかもしれません。

 最後に、予定への落とし込みを助けるツールです。換言すれば、これは「空き時間がすぐに分かるツール」ということになろうかと思います。そういう点では、時間軸がきちんと表示された予定表などを使うのがよさそうです。

 結局、先日思い付きで書いたものの再確認という感じになってしまいましたが、結論としては、やはりポストイット+TODOリスト+予定表(空き時間が見えるもの)という組み合わせになるでしょうか。
 ポストイットとTODOリストの代わりに、TH-55を組み合わせるというのも可能かもしれません。そうなると、予定表もクリエオーガナイザーでまかない、TH-551台にするという選択肢も出てくるのですが、クリエオーガナイザーの予定表は、1日表示はともかく、週間表示や月間表示では、空き時間が分かりにくいという欠点があるので、そこはちょっと難しいかもしれません。ただ、TODOについては、もう少し研究の余地がありそうな気はします。

 予定表についても、だいぶイメージが掴めてきました。そろそろ決めたいと思います。