PoIC的なデータ管理&収束的思考ツール

 最近、個人的に注目しているデータ管理ツールで、「PoIC」というものがあります。

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PoIC

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PoIC : 情報カードの積み重ね:連載|gihyo.jp … 技術評論社


 非常に簡単に説明すると、記録、発見、GTD、参照といったものを、1カードに1項目ずつ書き込み、これを、作成した時系列順で管理し、ある程度カードが溜まったところで分類、俯瞰、把握し、整理する、というシステムです。

 アイデアやメモのほとんどは、アドエスEM・ONEで直接デジタルデータとして作成しているので、カード自体を使用する点はそのまま流用できませんが、Tomboなどのデジタルツールにおいても、例えば、1つのテキストファイルを1枚のメモ(カード)と考えれば、PoICとそれほど違いはなくなりますから、考え方自体は、Tomboでのデータ管理などに使えるのではないかと思います。

 まあ、今までも、Tomboのデータ整理は、基本的に日付順に行っていたので、それほど変わるわけではないのですが。


 少し悩みどころなのは、データの保存はそれでよいとして、それをいかに活用するかという点です。PoICにおいては、「タスクフォース」と言われている部分です。基本的には、適宜の時点で、テーマを決めて、それに関連するカードを抜き出し、整理してまとめるという行為ですが、これをデジタルデータで行おうとすると、「いつ行うか」「どのように行うか」2つの点で問題が生じるおそれがあります。

 まず、1つ目の「いつ」ですが、カードを利用したシステムの場合、少なくともカードをストックする物理的容量が限界に着た時点で、いやが上にも何らかの整理を行う必要が出てきます。すなわち、整理が「必然的」に行われますが、デジタルデータの場合、そのようなストック容量の制限が事実上無限に存在するので、整理がどうしても「任意的」になってしまいがちで、結局整理せずじまいということになりまねません(私だけ?)。

 次に、2つ目の「どのように」ですが、これは、「複数の情報の断片を、いかに整理して1つの成果物を作成するか」ということです。単に、日々集めたデータを集計すれば済むものであればともかく、アイデアの断片のようなものを集めて何かを生み出すためには、何らかの収束的思考を行うためのツールが必要になると思います。
 カードですと、例えば、有名なKJ法のような、「カードを展開し、グルーピングしながらまとめていく」という方法があります。デジタルデータ(というよりテキストデータ)の場合、「アイデアプロセッサ」などがKJ法に代わるツールとして挙げられると思います。しかし、アイデアプロセッサは、どちらかというと一次元的な情報管理ツールであり、複数のアイデアを、章立てして、1つの「流れ」として把握するには便利ではあるものの、複数のアイデアを並列的に扱い、それらの掛け合わせによって新たなアイデアを生み出す、すなわち、マトリックス的・二次元的作業には不便です。その点、KJ法のようなカードを並べる方法は、自在にアイデア同士で演算を行い、新たなアイデアを生み出すことも可能です。
 デジタルデータ用の何かいいツールがあるといいのですが。